A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

基準値のからくり (ブルーバックス)

基準値のからくり (ブルーバックス)

別に時間がかかったわけではないですが,やっと読了しました。多くはなんとなく聞いたり知っていたりしていた情報ですが,それでもおもしろかったです。基準値やリスクの話はどうしても若干の説明が必要なので,一般向けにしてはちょっと難しいかなという印象はあります*1。村上さんの執筆部分第7章に特に魂が感じられて良かったのですが,やはり放射線の基準値はかなり入り組んでいるなぁと。。。ここまで追いたいと思う人がどこまでいるか,というと,まぁそのあたりに熱意とのギャップがあるんだろうなぁとも思ったり。


「基準というものは,考えるという行為を遠ざけてしまう格好の道具である」という言葉が本書の中で出てきますが,ボクも含めて結局みんなそうやって「思考停止」したいんだと個人的には思っていて,それはそれでいいんだと思います(そんな毎日リスクについて考えてられないし)。ただ,一旦「何か事が起きたり」「基準値の超過で危険が叫ばれたり」したときにはその基準値の出所について知っていたり(それを知る術を知っておくと),あまり不合理な行動や判断をしなくなる,というメリットがあるはずで,このあたりの御利益はもっと広まっていいんじゃないかなぁと思っています。


まとめると,ちょっと後ろ向きなことも書きましたが,基準値やリスクを学ぶ上で類書の中でも分かりやすく書かれた必読書だと思います(お手頃な金額でもありますし)。特にこの手の話題に触れた事のない方には,色んな目から鱗な話題が書かれていると思います。是非,お買い求めあれ。

*1:ボク自身も読み流したところもありました