A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

ボクの生態学会での発表内容が,大阪府環境審議会 水質環境部会(第3回)で紹介されていました。ありがたい限りです。一点補足するとすれば,亜鉛以外の重金属の影響を除去できていないので,閾値(下記の分岐点)の推定値は正確ではない(亜鉛濃度の影響を過大評価している)のですが,状況から鑑みて,おそらく閾値はこの濃度以上だろうと現時点では考えています。早く論文化しないと。

・ 日本生態学会において、横浜国大の岩崎氏らが「河川底生動物群集に及ぼす亜鉛の影響」についての研究を発表されていたので紹介する。
・ 現在の水生生物保全の面からみた水質基準は淡水域で30μg/Lで、4類型とも同じ基準値になっている。これは、エルモンヒラタカゲロウという水生昆虫の成長に対する影響を個体で見た数値であるが、この研究ではこれを別の面から検証した。
亜鉛濃度の影響を個体というレベルではなく河川の底生動物の群集でみると、種多様性については、54〜68μg/Lぐらい、現基準の2倍程度の数値が分岐点ではないかということである。
・ 今後も新たな知見の集積が行われ、基準値の改定の際には考慮されるものと考える。