A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

廃水の希釈が放流先河川の水生生物の状態に重要

Büttner, O., J. W. Jawitz, S. Birk, and D. Borchardt. 2022. Why wastewater treatment fails to protect stream ecosystems in europe. Water Research 217:118382.

久々にざっと眺めた論文。ヨーロッパ全体で、ecological statusと廃水の希釈割合の関係を調べた論文。前者は、highとgood、とそれ以外に分けて、後者はドイツの例をベースに?いくつかの仮定を置いて計算した値。3次以下の(規模の小さい)河川では、希釈割合がecological statusと関係していて(といってもばらつきはある)、ロジスティック回帰すると、6.5%を超えると、約50%の確率で、high及びgoodか、それ以外に分かれると推定している。そんなに目新しいとは思わないんだけど、こういう閾値っぽいものを広域でempricalに推定したのが評価されたという感じかなと想像します。一つのimplicationsとしては「放流場所を賢く選出すべし」。場を考えると廃水の質も重要になってくると思うので、実際に運用にどう繋がっていくかはいまいちピンとこないのですが、まぁでも「放流先河川の流量が大事ですよ」というのを広域かつデータで示したのがすごいということで*1

*1:なんというか、そんなことまでデータで出さなきゃダメ?という気にもなりますが