難波さんとの共同主著の野外調査結果が論文になりました*1。Environmental Monitoring and Assessmentに出したIwasaki et al. 2020の続編ですというと、なんとなくjust another case studyかと思われそうなのですが、個人的には(あの)森田さんにも協力いただき、新たに魚類の調査ができたのが面白かったです。お恥ずかしながら、ほとんど魚のこととか頭になかったのですが、初日3時!の朝練も含めて、とても刺激的で楽しい調査でした。一緒に調査頂いたUさんやAさんらにも、とても楽しい調査にしてもらい感謝です*2。底生動物は種数や個体数、魚類は個体数(密度)や肥満度で、金属濃度が高い河川と低い比較参照河川に設定した調査地点間で比較しているのですが、ひとまずこの河川では、(かろうじて)虫のほうが感受性が高そうかも?という結果でした。わりと何回かやっているのですが、やはり魚類の密度のばらつきは大きい。でも、想像していたより、どうしようもないってわけでもない、というのが知れたのが個人的に大きかったです。肥満度(尾叉長と体重から算出)も現地の測定で計算できるのがいいですね。もともとこの河川の金属濃度はそんなに高くないので、他の河川でもなにかできると楽しいなぁと思っております。図にある結果は単純ですので、よかったら御覧ください。オープンアクセスです。ちょっとした続編(でも、個人的にわりと驚いた結果)も来年度出せればいいなぁと思っております。
で、初めてOA誌で、PeerJです。コロラドにいる時にこの雑誌の存在は知っていたのですが*3、なかなか出す機会がなく、という感じでした。最初に出したFreshwater Scienceは査読後リジェクトだったので、さてどこに修正原稿を出そうかなと思ったいたところに、東北大のUさんにちょっと話を聞いたのもあって、PeerJを選択しました。野外調査の許可関係の説明がわりとめんどくさいのですが、一生懸命説明すると納得してもらえたようです*4。査読は2人で(編集者も読んで3人?)、査読コメントも公開されていますが、いずれも建設的で良いコメントだったように思います。査読コメントを公開するというのは初めてでしたが、良い仕組みかもなぁと思いました。あと、査読も、このレベルのIFのジャーナルよりも早い印象です(なんで早くできるのはちょっと知りたい)。もう一本PeerJから受理をもらったので、またそのうちここで紹介できればと思います。