遅くなりましたが,本年もよろしくお願いいたします。最近,いつも何かやることがあって,「ありがとう」というべき状況で言えてないような気がしています(反省)。コロナのせいで主にテレワークな日々でしたが,昨年は,論文のアウトプット自体はわりとできたんではないかなと思います。年末に久々にしんどいことがあったのですが,そっと心にしまっておきたいと思います。
研究
- 論文は,昨年ここで紹介したものを除くと,国際誌は,共同主著論文で2本,共著で2本(1本はコレスポ),国際誌主著でLetter to Editor 1本とエッセイ1本,日本語2本共著(1本はコレスポ)という感じでしょうか。主著+思い入れ順からいくと。
- Hiroki Namba*, Yuichi Iwasaki*, Jani Heino, Hiroyuki Matsuda (2020) What to survey? A systematic review of the choice of biological groups in assessing ecological impacts of metals in running waters. Environmental Toxicology and Chemistry. 39(10): 1964–1972. (*These authors contributed equally to this work; Y. Iwasaki is the corresponding author)
- 個人的には,やはり「What to survey?」論文をきちんと世に出せて,ボクは良かったです。査読も結構しんどかったですが,明らかに査読後に本文が良くなったように思います。基礎的な情報なんだけど,システマティックな整理はなかったので,金属以外の文脈でも是非ご利用いただければと思います。論文はオープンアクセスです!ボクの解説の詳細はここ↓yuichiwsk.hatenablog.jp
- Kyoshiro Hiki, Yuichi Iwasaki (2020) Can we reasonably predict chronic species sensitivity distributions from acute species sensitivity distributions? Environmental Science & Technology. 54(20): 13131–13136.
- 悩ましいですが,2番目は日置さんとの共著。これほんとにデータ解析と論文化までスムーズで,また是非お願いしますって感じです。内容もES&Tの割には地味なのですが,急性慢性毒性比とかリスク評価的に基礎的で大事な結果だと思います。こちらもオープンアクセスです。ボクの解説は↓yuichiwsk.hatenablog.jp
- 柴田由紀枝,岩崎雄一*,竹村紫苑,保高徹生,髙橋徹,松田裕之(2020) 「和賀川の清流を守る会」会報のテキスト分析:休廃止鉱山での水質モニタリングと会報における関連話題の長期的な変遷,水環境学会誌,43(6),183–188
- こちらも主著ではなく,調査論文でまぁ一見素通りされそうな論文かもしれないのですが,休廃止鉱山における坑廃水の管理を考える上で,個人的に良いタイミングで重要な知見(事実?)を公表できたと思います。個人的に,今後もできるだけ関わっていけるといいなぁと思っております。虫の調査も今年の春にしたので,どこかに結果を出したいところですが…。これは今年の課題かも。記事はこちら↓yuichiwsk.hatenablog.jp
- Yuichi Iwasaki, Takehiko I. Hayashi (2020) Concerns about reproducibility, use of the Akaike information criterion, and related issues in Hoondert et al. 2019. Environmental Toxicology and Chemistry. 39(7): 1300–1301.
- 種の感受性分布に関する個人的にとても重要だ思う論文で,AICの使い方がおかしかったので,それを指摘したLetter to Editorです。よく考えると,このブログでは紹介してなかったです。。初めて他人の論文に意見を出したのですが,相手の返答も含めてとても勉強になりました*1。まさか,あの大御所の方々の論文に一言物申すときが来るとは…という感じですが,やはりちょっとこのレベルでは困るので,きちんと出せてよかったです。内容は,マルコや林さんにも直してもらって,英文校閲時にも色々よいコメントをもらえて,すごく良くなったと思っています(ありがとうございました)。Ecotoxな人たちに少しでも読んでもらって,とっかかりになってくれると嬉しいなぁと思ったり…。
- Yuichi Iwasaki, Nancy W. Shappell (2021) Some papers are hard to follow: why is that, and how can we improve? Integrated Environmental Assessment and Management. 17(1), 305–306.
- もう一つエッセイ。読みにくいなぁこの論文ってのは,このブログでも愚痴っていたのですが,その思いを文字にしてIEAMの3D articleにしました*2。 個人的には,まずは単にこの事実自体を世に出したかったのですが,事前に読んで頂いた方にも「で?どうするか」が書いてないよねとは言われていて,section editorsにも色々つつかれて,最初はリジェクト。その後,「あなたのこのarticle,面白いから一緒に直してもいいわよ(意訳)」ってNancyさんが言ってくれて,一緒に直して,なんとか形になったという感じです。水生昆虫談話会の「水辺の輪」に少し日本語で解説を書いたりしましたが,これもどこかで日本語にしたほうがいいのかもしれません。。いずれにしても,思ったより時間がかかりましたが,きちんと形になってよかったです。そこじゃないだろって言われそうですが,落ち(と謝辞)もわりと好き。
- 日置恭史郎,渡部春奈,林岳彦,岩崎雄一,山本裕史(2020) 生態毒性学におけるAdverse Outcome Pathway(AOP)研究の整理と展望,環境毒性学会誌,23(1),22–37.
- Bing Gong, Erkai He, Willie J.G.M. Peijnenburg, Yuichi Iwasaki, Cornelis A.M. Van Gestel, Xinde Cao, Ling Zhao, Xiaoyun Xu, Hao Qiu (2020) Coupling mixture reference models with DGT-perceived metal flux for deciphering the nonadditive effects of rare earth mixtures to wheat in soils. Environmental Research. 188: 109736
- Hiroki Namba*, Yuichi Iwasaki*, Kentaro Morita, Tagiru Ogino, Hiroyuki Mano, Naohide Shinohara, Tetsuo Yasutaka, Hiroyuki Matsuda, Masashi Kamo (accepted) Comparing impacts of metal contamination on macroinvertebrate and fish assemblages in a northern Japanese river. PeerJ.
- こちらは12月31日に受理されたばかりでまだ情報がないのですが,一応載せておきます。魚の調査ではMRTさんを含めて,個人的にとても勉強になりました。まだ公開されたらブログを書きたいと思います。森田さんと論文が書けてボクはとても満足!
- Hiroki Namba*, Yuichi Iwasaki*, Jani Heino, Hiroyuki Matsuda (2020) What to survey? A systematic review of the choice of biological groups in assessing ecological impacts of metals in running waters. Environmental Toxicology and Chemistry. 39(10): 1964–1972. (*These authors contributed equally to this work; Y. Iwasaki is the corresponding author)
- ひたすらテレワークだった。
- 4月からほぼテレワークで,家でも全然問題なくできるなぁと思っているのですが,一方で雑談とかそういうのがなくなって,ちょっと…というところでしょうか。人としゃべると自分の頭が整理されるし,ふらっとしゃべって色々妄想を広げるのは個人的に嫌いではないので,そのあたりが難しいところです。後,椅子を買うべきか。。
- オンラインのSETAC NAにも参加しましたが,発表でめっちゃ緊張する人としては,録画で楽なのですが,やはり何かもう一つ…という感じがします。やはり非日常感が足りないのか。そもそも英語力も足りないのですが…。
- ただ,まぁ正直にいって,色々制限されたからこそ,Nancyさんとのエッセイとかも書けたんだろうなぁと思っています。あと,妻と子供たちが秋口まで家にいなかったので,というのも大きいかも知れませんが。
- 野外調査は残念ながら1回のみ。
- ほんとは春に北海道でも調査したかったのですが,コロナで断念しました。ただ,とりあえず本調査を和賀川でやれてよかったです。今年という意味では,H鉱山,M鉱山(雪上車),M鉱山とか言ってなくも無いという感じですが,やはりテレワークの印象が強い…。
- コロナ関係のお仕事のお手伝い
- 巻き込まれて細々とお手伝いをしているだけなのですが(単なる人足ですが),わりと面白いなぁと思うのと,なんというか,NさんとかYさんとかSさんとかみなさん偉いなぁと改めて思ったり。
日常
- 身内が一人結婚した。身内だけでしたが,結婚式は,ほんとコロナ騒ぎが起こる前のギリギリでした。多分数日遅かったらできなかった。
- 次男は歩きだして,かわいいです。長男も相変わらず。
- 今年は半年くらい子どもたちが妻の実家に居候してたのですが,その間に長男の虫レベルが相当アップして,頼もしい限りです。
- そのため,ほぼ半年は独身でした。それはそれで楽しかったような…。
- 夏休みは,色々試行錯誤して,群馬方面で恐竜とムーミン。恐竜センターはほぼ貸し切りだったし,どれも良かった。個人的には,恐竜の足跡のところにあったステゴサウルスを見たときに,長男がメジャー出してきて,体長を測りだしたのが,ツボだった。
今年の目標・抱負