昨年は振り返りの記事を書き損ねていたのですが,今年は書いておきたいと思います。
- まずは何はともあれ,産総研に移動しました*1。
- 個人的には移ったことよりもこの決断に至った過程が一番しんどかったです。色んな方にご迷惑をおかけいたしました。。申し訳ございませんでした。
- 仕事自体は,幸運なことにこれまでの研究(野外データを基にした影響評価)をベースに展開できる感じです。なれない事もありますが,基本的には忙しくも楽しくできているように思います。
- 余談ですが,4月の新人研修が個人的にはとても良かったです。
- 論文は,国際誌4本(共著2本),国内誌1本(総説)を出すことができました。
- いずれも東洋大からの積み残しですが,きちんと出せて良かったです。
- 陸水学会誌の英文誌Limnology誌に2本。コイ科魚類の農薬に対する感受性を調べた論文は,思いつきで始めたものの(+さらりと通るかなと思ったものの)苦戦した1本でした。でもきちんと形にできてよかったです*2。渡良瀬川の金属濃度などの水質の時空間的な変化を解析した論文も無事に掲載されました。データ自体は公開されているものですが,こういう風にきちんとまとめた論文はほとんどないのではないかなと思います。
- Yuichi Iwasaki, Marko Jusup, Ken-ichi Shibata, Takashi Nagai, and Shosaku Kashiwada (2018) Lower sensitivity of cyprinid fishes to three acetylcholinesterase inhibitor pesticides: an evaluation based on no-effect concentrations. Limnology. 19(1): 1–5
- Yuichi Iwasaki, Masahiro Soya, Masaki Takasu, Yasuyuki Zushi, Takehiko I. Hayashi, and Shosaku Kashiwada (2018) Spatiotemporal changes in water quality along a historically metal-contaminated river: a retrospective analysis of 50 years of monthly monitoring data. Limnology. 19(1): 157–163.
- 共著で2本出ました。梁くんはもう論文がこなれてきた感じですが,Sさんはお疲れ様でした*3。でもきちんといいところに掲載されてよかったです*4。
- Kyuma Suzuki, Shun Watanabe, Yumi Yuasa, Yasunori Yamashita, Hajime Arai, Hideki Tanaka, Toshihiro Kuge, Masanobu Mori, Kin-ichi Tsunoda, Seiichi Nohara, Yuichi Iwasaki, Yoshitaka Minai, Yukiko Okada, and Seiya Nagao (2018) Radiocesium dynamics in the aquatic ecosystem of Lake Onuma on Mt. Akagi following the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident. Science of the Total Environment. 622–623: 1153–1164.
- Masahiro Ryo, Chihiro Yoshimura, Yuichi Iwasaki. (2018) Importance of antecedent environmental conditions in modeling species distributions. Ecography.
- 環境毒性学会誌の総説論文も,先月頭に受理を頂きました。玉井さんの卒論研究を発展させた読み物で(私が責任著者),同様の内容で9月の環境毒性学会でも発表しましたが*5,計算に不正確なところがあり,そこが大幅に改訂されています。査読者にも突っ込まれたように,この割り算問題は結構厳密に攻めると奥が深いのですが,ひとまず第一歩かなと思います。
- 玉井聡子,岩崎雄一,石母田誠,柏田祥策(2017)2値データの解析には一般化線形モデルを使いましょう:割算値の利用からの脱却のススメ,環境毒性学会誌.
- 余談ですが,2件論文を投稿中で,1件は苦戦している論文,もう1件も初稿から投稿まで3年くらいかかった論文です。いずれも今年中にはいいところに落ちてくれるとうれしいのですが。。
- 古くて新しい研究テーマに取り組みだした。
- 元をたどれば,博士の時に,似たような仮解析をしたことがあったのですが,縁もあって,本格的に始動しました。まだ結果は出ていませんが,個人的には感慨深い。いいジャーナルに載るというより,今後の管理にしっかり繋げられるような成果を出していければと思っています。
- その他にも,今年度から動き出したものはありますが,そのうちどこで紹介できるように頑張ります。
- 久々に虫のソーティングをした。
日常
- ボーナスってうれしい。ほんとにうれしい。
- 夏に北海道に家族で行きました。前半は,妻が高熱で大変でしたが,カヌーにも乗れて温泉にも入れて,熊も見られて,個人的には満足です*6。
- 裏磐梯も相変わらず良かった。
- 息子が無事保育園に入れて良かった(これもほんとに良かった)。
- 息子がだんだんしゃべり始めだした*7
- 引っ越しを考えて,色々検討したが,一旦保留。
という感じでしょうか。
今年は,
- 仕事量をうまく制御しつつ*8,動き出した研究の成果を徐々に出していきたい
- 積み残している論文(博論1本,コロラド2本)をなんとか投稿まで持って行きたい*9。
- Society of Freshwater Sciencesの年会に参加して,発表する(5月@デトロイト:実はSFSはまだ行ったことがありません)。
- 今まで1回も行ったことがない日本の学会にも参加したい
- 英語の総説・・・*10
ということで,本年も何卒よろしくお願いいたします。
*1:やはりこれが圧倒的に大きい出来事ですね。。
*2:2年半位前に偶然見た学会発表で思いついて,著者に生データ欲しいといったら(全部付録についてると言われ),多分主要な解析は一週間くらいでできて,論文までえいやって書いて,投稿したらことごとくリジェクトされて,ここに至ります。じゃあ,なんでしつこくpublishするのに粘ったのかというと,最初の単なる思いつきの仮説に「ワクワク」したからなんですよね(結局その点は考察にさらっと書いただけなっています)。
*3:私は,主に統計解析の部分(+論文改訂)でお手伝いさせていただきました
*4:この過程でも初心を思い出して,勉強になりました
*5:ありがたいことに,ポスター賞も頂きました
*6:今年度は調査,旅行,学会で3回北海道。そういえば,まだ会ってないですが,札幌でお世話になった民宿のおばあちゃんも元気でした!
*7:ボクは敵のようです。。汗
*8:とか言ってるとへたってるとか言われそうですが
*9:きっとそのほかにも書かないといけないものは増えるでしょうが。。
*10:実は2016年の目標になっていたのですが,全然ですね。。