A way of thinking

筆者個人の思考過程です。意見には個人差があります。

ウェブ調査の科学

朝倉書店| ウェブ調査の科学 ―調査計画から分析まで―

ひょんなことから訳者の一人の方に献本頂きました。ありがとうございます。Webアンケートを思い立って去年やってみて*1,後出しながら細々と勉強しなければと思っている程度の,初心者です。結構な大作なので,訳者まえがきにあった,1章までと8章*2を眺めてみました,まえがきから結構魂が籠もっている感じなのが好印象で,ざっと眺めただけで,要点の要点はつかめたように思います*3。まだ自分の言葉で説明できないのですが,非観測誤差と観測誤差,総調査誤差(total survey error)あたりの整理や,初頭効果(primacy effect)とか認知的負担とかの用語も断片的ながら勉強になりました。これ真面目に全部読み通して自分のものにするというのは多分難しい気がするのですが,折をみて眺めることになるのでは?と思います(目次リストは,上の朝倉書店のリンクにあります)。また。適宜追記するかもしれませんが,ひとまず記録として。

*1:結構真面目に準備はした

*2:8章は前半までざっとかいつまんだ程度

*3:つかめた気にはなりました汗

流域一貫

中村太士さんの本。近い人に知り合いは多いけど,一度生態学会の自由集会の懇親会で挨拶したくらい*1。水質の文脈で,全国一律じゃなくて,流域ごとに管理みたいな話が書いてないかな(引用できないかな)と思って眺めてみたけど,主題的にそういう話ではなさそう。第一章を読んで,あとは目次をベースにぱらぱらと眺めただけだけど,第一章はとても魂が感じられてよかった。

「学」のない筆者にとって*2,すべての学問知識は地域問題を明らかにし,解決する方法を考えるための手段しかない。
研究者が「環境」や「保全」といったテーマで予算をもらい研究に従事する以上,その社会的役割を認識すべきである。(中略)「興味がある科学的真理の追究」を「地域環境の保全や管理」とすり替えてはならないのである*3
生物多様性保全トップダウンの論理である(中略)ボトムアップの論理が必要である。

あたりとか。つまみ読みで恐縮ですが,メモとして。

*1:その時の一瞬の印象から,ボクの感じた率直な印象は,周りの人に聞いても当たってそうな感じ。少なくともボクが絡んだ人はみんな慕っているので間違いなくいい人なんだと思っている

*2:いやいや,紫綬褒章ですよ

*3:このあたりとかもとてもストレートで気持ちいい。ボクも応用や実務の(見かけ上の)看板を振りかざして,自分の好きな基礎的なことに終始する人たちは。。。略

急に具合が悪くなる

急に具合が悪くなる

急に具合が悪くなる

HYSさんがツイッターで激推ししてたので,気になって読んでみましたが,リスク学的にも人生の指南書?的にもかなり魂が籠もった良書でした。今年の非常勤の講義,これを教科書にしてもらって読んで感想とかもでいいくらい,と思ったくらいすごく核心をつく世界が広がっていた。
以下は,個人的なメモ(ネタばれ注意):

  • 個人的に感じた大きな点は以下の2点
    • シリアスな問題における個々の意思決定において,確率的な科学的エビデンス*1がほぼ無力(かもしれないと感じた)
      • 良さそうな方向は多分提示してくる。ただ,シリアルな状況下で細かな情報を元に複数の選択肢を(自分の意思で)選ぶのは,相当しんどいし,そもそも確率を個人として咀嚼する限界を強く感じた。
    • ”連結器として化すことに抵抗をしながら,その中で出会う人々と誠実に向き合い,ともに踏み跡を刻んで生きることを覚悟できる勇気”。まさにこの言葉通りなんだけど,ボクもこういう生き方をしたいんだなぁ(できるだけしようとしているなぁ)と思って,すごく良かった。傷つかない方法を教えてくれるけど,それじゃ実は個人的には面白くなくて,もっとギリギリなやりとりの先に,互いにとって刺激的で居心地のよい関係みたいなものが生まれると思っている*2。なんかこういうのを言葉として読んだことがなかったので,個人的には「おーこれ「自分探してます!」みたいな人にもぴったりの人生指南書じゃないか」と思った。
  • 以下は,雑多引用とメモ。
    • "「正しい情報」とは客観的で一般化可能性があるとされるエビデンスです。でも私はこういう大合唱に手放しで賛同することができません(中略)。それはある具体的な文脈に埋めこまれ,医療者の口から具体的な言葉でお話として語られます"
    • "確率ごとに心を分割して,その仲で何かを決めるなんて至難の業です"
    • "選ぶの大変,決めるの疲れる"
      • このあたりが前述の前者あたり。宮野さんの立場に擬似的になることによって,いや確かにそうだよなぁと痛感しながら読んでいました。
    • "選ぶとは能動的に何かをするというよりも,ある状態にたどりつき,落ち着くような,なじむような状態で...(後略)"
      • この感じもボクはすごく好きで,こういうゆったりとした「選ぶ」を日々心がけられるといいなぁと思ったり。
    • "偶然性は「失われた環」の提示ではあるのですが,「今その時」の出会いの衝撃を表現するだけで,決して原因を説明してはくれません"
    • "余分なのものは,余計なものじゃなくて,会話の広がる余地を作る"
    • "ほどほどの患者"
    • "軌跡と連結器","徒歩旅行と輸送"
    • ”人と人の間にあったはずの(とまどいを含めた)動きがなくなってしまっている”
    • "選択において決断されるのは,当該の事柄ではなく,不確定性/偶然性を含んだ事柄に対応する自己の生き方である"

宮野さんのご冥福をお祈りします。一度お会いしてみたかった。

*1:まぁでもほぼすべて確率的なエビデンスかもしれない

*2:一個人の意見です

2019年の振り返りと2020年の目標

月並みですが,昨年は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。最近,「最近,岩崎はなにやっているの?」という質問にばしっと答えられなくなっていることが気になっていたのですが,それはそれで良いことなのかもしれないなぁと今,思いました。忙しいですが個人的には充実しているというのが正直なところで,この充実している感が徐々に外向きに出て行くといいなぁと今思っています。ということで,今年はやはりアウトプットをもっとできればなぁと思います。例年通り,振り返りと目標をば。

  • 論文は,主著で英語1本*1と日本語1本,共著では,去年の振り返りに書いた論文を除くと,4本という感じ。
    • Yuichi Iwasaki, Megumi Fujisawa, Tagiru Ogino, Hiroyuki Mano, Naohide Shinohara, Shigeki Masunaga, and Masashi Kamo (2020) Does a sum of toxic units exceeding 1 imply adverse impacts on macroinvertebrate assemblages? A field study in a Northern Japanese river receiving treated mine discharge. Environmental Monitoring and Assessment
      • 産総研に来て最初に取り組んだフィールドでの結果で,まずはきちんとアウトプットできて良かったなと思います。昨年2月に原稿はできていたのですが,諸事情で投稿は夏になったので少し遅くなりましたが*2。。。個人的には,金属濃度は環境基準に比べて少し高めだけど,虫的には影響はなさそうな面白い場所にであえて良かったなぁと思っています(嘘偽り無し)。
    • 岩崎雄一,本田大士,西岡亨,石川百合子,山根雅之 (2019) LAS濃度が高い河川地点はどんな特徴があるか?:水生生物保全を目的とした水環境管理への示唆. 水環境学会誌,42(5), 201-206
      • 査読でとても苦労した1本ですが,その意味でも出せて良かったなと思える1本になりました。詳しくはこちらに書きました。このあたりの話を含めて,9月の水環境学会のシンポで話したネタは,最近の集大成だなぁと個人的には思っています。具体的には忘れたけど「とても刺激的でした」的なことをある方から言われて話して良かったなと思いました。このあたりの話は,YMNさんがTY大時代から色々持ちかけてくれなければそもそもやってなかった話なので,その意味でも皆さんからの知恵で生き延びているなぁという気がしてます。
    • 共著は,以下の感じ。西岡さんの論文とかも個人的には地味に良い成果だなと思っています。AIST-SHANELの国際展開にも少しだけ貢献できた気もしますし。。山下さんの論文はこちらに書いています。ODさんとかも環境毒性学会で久々にあったけど,自分で丁寧に調べて等身大で研究しているなぁという印象を受けて,なんかぐっときました*3
      • Yasunori Yamashita, Yuichi Iwasaki, Toshimitsu Matsubara, Kyuma Suzuki, Yuhei Kanzawa, Takehiro Okuda, Kazuya Nishina, and Carlos Augusto Strüssmann (2020) Comparison of survival rates between domesticated and semi-native char using Bayesian multi-variate state-space model. Fisheries Research. 221, 105380.
      • Tohru Nishioka, Yuichi Iwasaki, Yuriko Ishikawa, Masayuki Yamane, Osamu Morita, and Hiroshi Honda (2019) Validation of AIST-SHANEL Model based on spatiotemporally-extensive monitoring data of linear alkylbenzene sulfonate in Japan: Toward a better strategy on deriving predicted environmental concentrations. Integrated Environmental Assessment and Management. 15(5): 750–759
      • Kyoko Ono, Tetsuo Yasutaka, Takehiko I. Hayashi, Masashi Kamo, Yuichi Iwasaki, Taizo Nakamori, Yoshikazu Fujii, Takafumi Kamitani (2019) Model construction for estimating potential vulnerability of Japanese soils to cadmium pollution based on intact soil properties. PLoS ONE 14(6): e0218377.
      • Yusuke Oda, Masaki Sakamoto, Yuichi Iwasaki, Seiji Nagasaka, Jin-Yong Ha, Kwang-Hyeon Chang, and Shosaku Kashiwada (2019) Inter-clonal variation in copper sensitivity in Bosmina longirostris with different exposure histories. Water, Air, & Soil Pollution. 230:109
  • 休廃止鉱山やその下流の河川によく行った。
    • 金属以外も含めて、自分から仕掛けたというのもあるけれど,休廃止鉱山関係のフィールドにはよく行かせてもらいました。関連して出張した県を挙げておくと,北海道,青森,岩手,秋田,岐阜,兵庫,岡山といった感じ(九州方面募集中)。現地に明るい方と一緒にまわれるのは,現地のイメージがつきやすくありがたい限り。
    • 余談ですが,夏にSTS温泉でやった合宿は楽しかったので*4,また行きたいなぁと思いつつもSTSは来年度の候補からは外れてしまいました。。。来年某予算で調査するのは,岩手と北海道(南の方)になりそうな感じです。
  • 某予算の中間評価も無事終了。
    • 無事にA評価で*5,継続になりました。来年度が最終年度なので,ぼちぼちうまいことまとめられるといいなぁと思います*6
  • 7月にダーウィンであったSETACオーストラリアが学会として楽しかった。
    • ブログに書いたと思ったのですが,書いてなかったです。鉱山関係の環境影響評価の研究発表が多かったというのもあったのですが,規模的にも日本の環境毒性学会の2倍くらいでほどよくて,個人的にはここ最近でダントツに良かったです*7。ディナーで,むやみに?賞を作成してみんなにあげまくるとか,エンターテインメント性の高い学会でした。例えば,「ステージから転げ落ちたけど,うまくリカバリーしたで賞」とか「(後で確認したら学会関係のツイートは全然していないのに)ベストtwitter賞」とか。もうなんというか,雰囲気が楽しかったです*8。AlvinとかMarieとかに相手してもらったし,Chris(Hickeyも!)とかKevin,Willも来てたのは個人的には救いでした。UBERが便利。後で聞いたら,うちの師匠のMさんも以前に短期?滞在していたみたいで,事前に現地情報を聞いておけばよかった。。。と少し後悔。
  • 主に休廃止鉱山関係で,去年から仕掛けていたり,妄想していた研究の一部は少しずつ(発表前段階の)形になってきた。
    • ただ,これはまだまだで,もうちょっとばしっと進めたかったのですが,無念という感じです。アンケート関係も2件ほど,最後までたどりついてない。これは,確実に今年の課題。
  • 某学会の大会実行委員側にいた。
    • 最後に,余談的で,ほぼ何もしてないのですが,手弁当感がすごく,なんとかしたほうがいいと思いました*9。しかし,まぁ他も含めて色んな問題あるんだなぁと痛感できて良かったです。

日常

  • 10月に次男が生まれました。ぼちぼちやってます。
  • 長男関係だと,糸球体腎炎で1ヶ月入院がしんどかった(本人も)+マニアックな恐竜の名前を覚えだしていてすごい。
  • 夏休みは高知に帰った。宿毛Airbnbの宿が良かった。
  • みんなでヘルシンキに行って,パヌにも会えた。
  • 数年前には想像もしていなかったのですが,土日はないに等しいということを改めて痛感している*10
  • 観劇は,『これは演劇ではない』(オフィスマウンテン),オフィスマウンテン「だれだって臍を噛む」「NOと言って生きるなら」あたりでしょうか。マームとジプシーとかも観に行きたい。


今年の目標
なんか俗っぽい目標しか立てられないのですが。。。

  • 仕事量をうまく制御しつつ,今年は成果を集中的に出していきたい。
    • 主著ではないにしても,コレスポも含めて論文は2~3本くらい出したい*11
    • 特にNさんやFさんとやっている研究*12をきちんと実らせたい
    • ピートとウィルと書いている論文も原稿は仕上がっているので,投稿できるといいな・・・と
  • 今まで1回も行ったことがない日本の学会にも参加したい(継続*13
  • 英語の総説(継続:予定なし)

*1:年末にアクセプトされた

*2:高望みできない内容ではあるのですが,よく見てみるとEMASは何やら外国勢に圧倒されている印象を受けました。ジャーナルタイトルが好きなのですが,ちょっと残念

*3:ボクも頑張らないとなぁと

*4:Mさんら調査に合わせて予備調査に行っただけですが

*5:といっても,Sではないので,Aは標準的な評価です

*6:個別には面白いと思うので,後はまとめ方でしょうか

*7:ただし,スクリーンを使ったポスター発表のやり方はかなりいまいち

*8:でも知り合い少なめで,ディナーのアウェイ感はすごかったですが

*9:ボクはいいけど,若手PDが会場係にかり出されるのはちょっとなぁと・・・

*10:年末の3日ほど完全に独身生活して、引きこもって解析なんかをしてたのですが,無性に楽しかったです。目標としていた最後までたどり着かなかったのが残念ですが

*11:出さないといけないものが溜まっている

*12:後者は無茶振り感がありますが

*13:昨年は環境資源工学会に行きましたが,依頼されてという感じなのでもっと積極的に違う学会に行きたい

イワナの生残率の状態空間モデル

Yasunori Yamashita, Yuichi Iwasaki, Toshimitsu Matsubara, Kyuma Suzuki, Yuhei Kanzawa, Takehiro Okuda, Kazuya Nishina, Carlos Augusto Strüssmann (2020) Comparison of survival rates between domesticated and semi-native char using Bayesian multi-variate state-space model. Fisheries Research. 221, 105380.

受理は少し前でしたが,ちょっと思い入れがあるので,研究内容ではないところで,メモ&宣伝しておきます。ここから,しばらくフリーで落手可能です。

研究内容が貢献するところってのはちょっと異論があるところかもですが,結果はシンプルでずっと継代で飼育しているイワナよりも,天然魚と継代魚からできた半天然魚の方がフィールドでの(放流区間における)生残率が高かったですよ,という話です。

ボクが東洋大の時に,群馬県の農水関係の試験場の方に統計の話をする機会を頂いて*1,群馬水試の鈴木さんや山下さんと知り合って,統計解析の相談を頂いたという経緯です。

野外での観測結果はとても綺麗で,ただ,繰り返しの観測データ(時系列データ)なので,状態空間モデルですねぇとなって,第一弾モデルのコードをボクが書いて,山下さんに投げたら,見事山下さんが物にしたというすばらしい流れです。東洋大に相談に来られた時点で,この方なら,自分でできそうやなと思ったというのもあるけど,通常業務をしながら,きちんとモデルを自分のものにして,論文化するというのは,改めて刺激を受けます*2

ボクがベイズの論文を書いたことがないので,仁科さんと奥田さんもさそって一緒に書けたのも個人的に良かったです。奥田さんなんか生態学会でポスターを見てただけだったのですが,水産系だと奥田さんがいいかも!と思い出してメールして*3,勢いで会いに行って,色々相談に乗ってもらって*4,いやぁ改めて生態学会っていいなぁと思ったり。

最後に,ここで使っている状態空間モデルって,非常にシンプルで,でも,これくらいの状態空間モデルでも需要があるところにはあるってのを最近痛感しています。という意味でも,この道を通っていたことで,他に応用できています。

なんか山下さんから受理の連絡がきたときは,ちょっと大分ぐっときたり。実際,後々の貢献度はそんなに大きくないのですが,年なのかなんなのか,妙に嬉しくてちょっと涙が出そうでした。

はい。ということで,やっぱ人対人ですね。

*1:柏田さんありがとうございます

*2:同じように鈴木さんもきちんと論文にされているのですよね。すばらしい

*3:AKTさんに紹介してもらったかも?

*4:*でボクの第一弾コードができた

不偏分散のルートから計算する標準偏差は不偏ではない

もうタイトルの通りなんだけど,結構衝撃だったのでメモっておく。化学物質の生態リスクの分野では,個々の生物種の毒性値を対数正規分布などの分布(種の感受性分布と呼ばれる。略してSSD。)にフィッティングさせて,X%が影響を受ける割合とかって計算する(95%の種が保護できる濃度が環境基準などの設定根拠になったりする)。色々あるけど,対数正規分布が一番メジャー*1でお手軽。この対数正規分布も単純で,対数をとった毒性値の平均と分散(あるいは標準偏差)が分かればよい。平均も標準偏差も統計では基本中の基本なので,なんてことはないと思っていたのですが,標準偏差が曲者だった。標準偏差の計算方法はいくつかあって

  • 標本分散(nで割るやつ)のルートをとって計算する方法(不偏ではない)
    • 最尤法で計算するとこの方法になるとのこと。例えば,こことか。
    • この方法でSSDを計算するのが,Rのパッケージssdtools。ただ,作者にこの点問い合わせたので,のちのち修正されるかも。ちなみにssdtools自体は,この計算を別のパッケージの関数に外注している。
  • 不偏分散(n-1で割るやつ)のルートとって計算する方法
    • 実はこれで計算された標準偏差も不偏ではなく,平均的に過小推定される。例えば,こことかこことか(リンク先はあくまで参考でここがいいっていっているわけではないです)。
    • 上のリンクにもあるように正規分布であれば,補正する式がある。
    • 余談ですが,SSD本の中で,Aldenbergは不偏でないことは認識しつつも,最尤推定による標準偏差(標本分散のルート)よりは後者の標準偏差の方がpreferされると書いていて,このあたりの思考回路が気になるところ。
  • (最後に)不偏分散のルートをとって補正して計算する方法

がある。という感じ。

おそらく,SSDを描いている人で私も含めて,このあたりを気づいて補正した標準偏差を使っている人はいないんじゃないでしょうか。SSD標準偏差はHC5の推定にも響いてくるし,まぁ実質的な誤差はそんなに大きくないとしても,SSDの文脈ではあまりないがしろにしてはいけない気がする。おそらく,落としどころは,補正無しの標準偏差で進めましょうということだと思うけど(Aldenbergさんにも問い合わせてもらっているけど),標準偏差1つとってもなかなか深いことを実感した*2

*1:この理解でいいと思うんだけど,細かいつっこみを入れる人はいるかも

*2:標準偏差なんて標準誤差のもとだし,もうみんな標本標準偏差しか使ってないっすよ,と思うと,正直ちょっとどうしたらいいのか愕然とした

リスク学辞典

リスク学事典

リスク学事典

今更ですが,リスク学事典の「化学物質による生態リスク」の項目を書きました。といっても全体のほんの1項目ですが。理由は分かりませんが,以下のサイトのプレビューから偶然にも私の項目がサンプルとして読めます。かなり幅広い形でリスクを扱っていて,気軽に買える値段ではありませんが,お財布に余裕がある方は是非!
www.maruzen-publishing.co.jp